ノーコードでSaaSを開発する方法!作り方・費用・事例まで解説

「自社でSaaSを立ち上げたいけれど、社内にエンジニアもいないし、開発費もかさみそう」——そんな悩みを抱える方は少なくありません。SaaS(クラウド上で提供する、月額課金型などのソフトウェアサービス)は、これまで多くのプログラミングと時間、そして費用をかけて作るのが当たり前でした。ところが近年は、コードをほとんど書かずにアプリやシステムを組み立てられる「ノーコード」の広がりによって、その常識が変わりつつあります。

この記事では、ノーコードでSaaSを開発する具体的な方法から、気になる費用の目安、実際の事例までをまとめて解説します。「本当に自社サービスとして通用するものが作れるのか」「どのツールを選べばいいのか」といった疑問に、順を追ってお答えしていきます。

もし「どのツールで作ればいいか分からない」「信頼できる開発会社を探したい」とお考えなら、ノーコード開発の窓口にご相談ください。開発会社が運営する、ノーコード開発の専門マッチングサイトです。BubbleやFlutterFlowといったツール選びから要件定義まで無料でサポートし、コンシェルジュがあなたに合った発注先の選定をお手伝いします。

この記事で分かること

Q. ノーコードで自社SaaSは作れる?
A. 作れます。予約管理や顧客管理などMVP〜小・中規模のSaaSなら十分可能。ただし超大規模・高負荷や特殊要件は苦手で、成長後に作り替えが必要になることも。

Q. SaaS開発の費用と期間の目安は?
A. 既製ツールは初期0円・月額数千円〜で最短数日。オリジナル開発はMVPで数十万円〜・数週間〜数ヶ月が目安。フルスクラッチより費用は数分の1、期間は半分以下に抑えられます。

Q. どうやって作る?どのツールを使う?
A. 方法は2つ。社内向け・小規模はkintoneなど既製ツール、顧客向けの本格SaaSはBubbleなど開発ツールで作ります。「社内向けか顧客向けか」で選ぶのが基本です。

貴社に最適な発注先選定をご支援いたします。
発注先選定支援 無料で相談する
目次
ノーコード開発の窓口なら自社に合った発注先を選ぶことが可能です。
開発会社である弊社のコンシェルジュが、ご要望に応じて発注先の選定をご支援。
安心してプロジェクトの依頼先を選べます。
無料で問い合わせる
資料をダウンロード

ノーコードで自社SaaSの開発は可能

結論からお伝えすると、ノーコードで自社のSaaSを開発することは可能です。専門的なプログラミングの知識がなくても、部品を組み合わせる感覚でアプリやシステムの土台を作り、それをサービスとして世に出せる時代になりました。

私たちのもとにも、「社内で使っている業務効率化の仕組みを、サービスとして外部に提供したい」「予約管理のシステムを自社SaaSとして立ち上げたい」といったご相談が数多く寄せられています。そうしたご相談に対して最適な開発会社をご紹介し、実際にノーコードでサービスが形になったケースも珍しくありません。つまり、机上の理論ではなく、現場で日々起きていることなのです。

外部の事例も見てみましょう。リモートワーク環境を整えるSaaS「リモートHQ」を運営する株式会社HQは、ほぼコードを書かずにサービスを立ち上げ、その後Coral Capitalなどから約2億円の資金調達に至った過程を、note記事「SaaSなのにほぼノーコードで2億円調達した話」(https://note.com/kou0117/n/nd41f7cc382e7)で公開しています。ノーコードが、初期のサービス立ち上げにおいて確かな武器になることを示す好例といえるでしょう。

ただし、ノーコードで何もかも作れるわけではない点には注意が必要です。小〜中規模のサービスや、まず市場の反応を確かめるためのMVP(必要最小限の機能だけを備えた試作版)であれば十分に対応できます。一方、利用者が大きく増え、複雑さを増した大規模サービスへ成長した段階では、あらためて作り替えが必要になる場合も。この「作れる範囲」の線引きについては、後の章でくわしくお話しします。

そして本当に大切なのは、「ノーコードで作れるかどうか」よりも「自分のサービスには、どの手段がいちばん合っているか」を見極めることです。次の章では、その判断のもとになる考え方から整理していきましょう。

なお、似た言葉に「ローコード」がありますが、こちらはコードをまったく書かないノーコードとは違い、一部だけプログラミングを使ってより自由にカスタマイズする手法を指します。

ノーコード開発の窓口なら自社に合った発注先を選ぶことが可能です。
開発会社である弊社のコンシェルジュが、ご要望に応じて発注先の選定をご支援。
安心してプロジェクトの依頼先を選べます。
無料で問い合わせる
資料をダウンロード

ノーコードでSaaSを作る方法は2つある

ひとくちに「ノーコードでSaaSを作る」といっても、その進め方は大きく2つに分かれます。

  • 既製のノーコードツールを組み合わせて開発する方法
  • ノーコード開発ツールで、オリジナルのSaaSをゼロから開発する方法

どちらが正解というわけではなく、目的によって向き不向きがあります。ここではまず2つの方法の中身を見たうえで、「自分はどちらを選ぶべきか」という判断の基準まで、順を追って整理していきましょう。

既製ツールを組み合わせて開発する

「既製ツールを組み合わせて開発する」とは、kintoneやAirtable、サスケWorksといった、すでに完成しているノーコードツールを土台に、テンプレート(あらかじめ用意されたひな形)やプラグイン、外部サービスとの連携機能を使って“それらしく”動かす方法です。ゼロから作るのではなく、出来合いの部品を上手に組み合わせるイメージ。

向いているのは、次のような場面です。

  • 社内の業務改善に使う、業務システムのような仕組み
  • ごく小規模で、機能が1つに絞られたサービス
  • まずは手元で「使えるかどうか」を確かめたい検証段階

最大の魅力は、手早さとコストの低さにあります。初期費用ゼロ〜少額で始められ、シンプルなものなら最短数日で動き出すことも。プログラミングの知識がない担当者でも着手しやすい点は、大きな後押しになります。

ただし、限界も正直にお伝えしておきましょう。外部の顧客に“売る”本格的なSaaSを作ろうとすると、枠が足りない場面が多くなります。たとえば、独自デザインの課金画面を用意できない、顧客ごとに専用アカウントを発行する仕組みを標準では持てない、といった具体的な壁にぶつかりがちです。加えて、動きが使うツールの仕様に縛られ、そのツールがなければ成り立たない「ツール依存」も残ります。このあたりの線引きは、後の章でさらに詳しく説明します。

開発ツールでオリジナルSaaSを開発する

「開発ツールでオリジナルSaaSを開発する」とは、Bubbleに代表される汎用のノーコード開発ツールを使い、ゼロから自分だけのSaaSを設計・構築する方法です。既製ツールが“出来合いの部品を組み合わせる”やり方だとすれば、こちらは“白紙から思い描いたサービスを作り上げる”アプローチ。外部に売り物として出すSaaSは、基本的にこの方法で作ります。

向いているのは、次のようなケースです。

  • 外部の顧客に提供し、課金する本格的なSaaS
  • 独自の画面や操作性、独自のロジック(処理の仕組み)が求められるサービス
  • MVPを作り、事業として大きく育てていきたい新規事業・スタートアップ

「ノーコードでは単純なアプリしか作れないのでは」と思われがちですが、これは誤解です。ユーザー登録やログイン、課金、データベース(情報をためて管理する土台)、外部サービスとのAPI連携(別のシステムと情報をやり取りする仕組み)など、SaaSに欠かせない基本機能をしっかり作り込めます。カスタマイズの自由度が高く、頭の中のアイデアをそのまま形にしやすいのが何よりの強み。

一方で、実装の難しさにも触れておきます。既製ツールと比べると設計や構築に手間がかかり、要件(実現したいことの中身)が複雑になるほど、自力だけでは厳しくなる場面も出てきます。そんなときは、開発会社やプロの手を借りるという選択肢も。無理に一人で抱え込む必要はありません。

SaaSの開発方法は「社内向け」か「顧客向け」かで選ぶ

2つの方法がわかると、次に気になるのは「では自分はどちらを選べばいいのか」という点でしょう。選び方の最大の基準は、そのSaaSを社内で使うのか、それとも外部の顧客に提供・販売するのか。社内向けなら①の既製ツール寄り、顧客向けなら②のオリジナル開発、とまず押さえてください。この目的の違いが、①と②を分ける一番大きな分かれ道になります。

自分のケースを手早く見分けるために、次の3つの質問に答えてみましょう。

  • 質問1:そのSaaSは社内で使うものですか? それとも外部の顧客に提供・販売するものですか? → 社内向けなら①寄り、顧客向けなら②寄り
  • 質問2:顧客ごとのアカウント発行や、独自の課金、独自の操作性が必要ですか? → 必要なら②
  • 質問3:既製ツールだけで「やりたいことの8割」がすでに実現できそうですか? → できるなら①、足りないなら②

軸になるのは質問1です。そこで大まかな方向を決め、質問2と3で最終的な判定を固める、という流れになります。なお、社内向けであっても、要件によっては②が正解になることも。この例外については、次の項目で詳しく触れます。

下の早見表も、判断の目安として役立ててください。

見分けのポイント①既製ツールの組み合わせ②ノーコード開発ツール
利用者社内向け(自社の業務で使う)顧客向け(外部に提供・販売する)
顧客ごとのアカウント/課金標準では持ちにくい作り込める
独自の操作性・独自ロジックツールの枠内自由に設計できる
初期の手早さ・コスト◎(最短数日〜・低コスト)○(設計・構築の工数が必要)
代表ツールkintone/Airtable/サスケWorksBubble
向いている人まず手元で検証したいMVPを作り事業として伸ばしたい

「顧客に提供する」「独自の要件が多い」「そもそも迷っている」——このいずれかに当てはまるなら、②を軸に考えつつ、一度プロに相談して見極めるのが安全です。

社内向けでもオリジナル開発がおすすめのケースもある

先ほど「社内向けなら①の既製ツールが基本」とお伝えしましたが、これは「社内向けなら必ず既製ツール」という意味ではありません。社内で使うSaaSであっても、②のオリジナル開発やプロへの相談が向くケースがあります。

具体的には、次のような場合です。

  • 既製ツールの枠に業務が収まらない(独自で複雑な承認・作業の流れが多く、標準機能やプラグインでは実現しきれない)
  • 複数の基幹システム(会社の中核を担う業務システム)や外部サービスとの深い連携が必要で、既製ツールの連携できる範囲を超えてしまう
  • 全社規模で大量のデータを扱い、既製ツールの制約(登録できる件数の上限や、動作の重さなど)に引っかかる
  • 長く自社の資産として作り込みたい、あるいは特定ツールへの依存(値上げ・仕様変更・サービス終了といったリスク)を避けたい

将来の拡張性を見すえ、自由にカスタマイズしながら育てていきたい場合も、②が有力な選択肢になります。

判断の順序としては、まず「既製ツールでやりたいことの8割が実現できるか」を見極めること。そのうえで、収まらない・無理が出るようなら②のオリジナル開発を検討する、と考えると迷いません。既製で足りるのか、それとも②が必要なのか——自分だけで判断がつかないときは、プロに相談して見極めるのがもっとも確実です。

ノーコードで「作れるSaaS」と「向かないSaaS」

ここまでで、ノーコードでSaaSが作れることはお分かりいただけたかと思います。とはいえ、あらゆるSaaSが作れるわけではありません。ノーコードには、得意な領域と苦手な領域があります。まずは、SaaSに必要な要件ごとに、ノーコードでどこまで実現できるのかを一覧で見てみましょう。

SaaSの要件ノーコードでの実現度補足
ユーザー登録・ログイン・権限管理◎ 作れるSaaSの基本機能として実装できる
データベース(顧客データ管理)◎ 作れる標準機能でカバーできる
課金・サブスク(月額課金)○ 作れる決済サービス(Stripe等)との連携で対応
外部サービスとのAPI連携○ 作れるツールにより対応できる範囲が異なる
独自の操作性・独自の業務ロジック○ 作れる設計・構築の工数は必要
超大規模・高負荷への対応△ 注意が必要規模拡大にともない作り替えを要する場合がある
ミリ秒単位の応答・特殊な高速処理× 向かないツールの制約で実現が難しい
高度・特殊なセキュリティ/コンプラ要件× 向かない要件次第で専用開発が必要

このように、SaaSの土台となる機能の多くはノーコードでカバーできる一方、超大規模なサービスや特殊な要件には向かない部分もあります。ここからは、次の3つの切り口で、もう少し具体的に掘り下げていきましょう。

  • ノーコードで作れるSaaSの種類(予約・顧客管理・マッチングなど)
  • ノーコードで実装できる中核機能の一覧
  • ノーコードでは難しい、大規模・高負荷・特殊要件のSaaS

予約・顧客管理・マッチングなどだいたいは開発できる

②のノーコード開発ツールを使えば、Webアプリからスマホ向けアプリまで、世の中にある多くのSaaSは開発できます。代表的な種類を挙げてみましょう。

  • 予約管理SaaS:店舗やサロン、施設などの予約受付・管理を行う仕組み
  • 顧客管理・営業支援SaaS:顧客情報や商談の進み具合を管理する、いわゆるCRM/SFA(顧客関係管理・営業支援)のようなシステム
  • 業務効率化SaaS:申請や承認の流れ、在庫、案件などを管理し、日々の業務をラクにするサービス
  • マッチングSaaS:発注者と受注者、あるいは利用者同士をつなぐプラットフォーム
  • 会員制・サブスク型SaaS:会員サイトやコンテンツ提供を、月額課金モデルで運営する仕組み
  • 特定業種・ニッチ向けのマイクロSaaS:小さな市場に絞り、小さく始める新規事業向けのサービス

実際、私たちのもとにも業務効率化系や予約管理系のSaaSに関するご相談が多く寄せられ、そこから開発会社のご紹介を経て、サービスとして形になった例もあります。MVPから小・中規模のSaaSであれば、ここに挙げたものの多くはノーコードで十分に作れる、と考えてよいでしょう。

ノーコードで実装可能な機能一覧

次に、②のノーコード開発ツール(Bubbleなど)で実際に実装できる、SaaSの中核となる機能を一覧で見てみましょう。「ノーコードでは単純な機能しか作れない」というイメージをお持ちなら、ここで払拭できるはずです。SaaSに必要な基本構成は、ひと通りそろえられます。

機能内容補足
ユーザー登録・ログイン会員登録、認証、権限管理顧客ごとのアカウント発行に対応
データベース顧客データ・コンテンツの保存・検索SaaSの基盤として実装できる
課金・サブスク月額課金、プラン管理決済サービス(Stripe等)との連携で対応
外部サービス連携他ツール・APIとのデータのやり取りツールにより対応範囲が異なる
独自UI・業務ロジック独自の画面、独自の処理・管理画面設計・構築の工数は必要

注目したいのは、顧客ごとにアカウントを発行する会員機能や、月額課金(サブスクリプション)といった、“サービスとして売る”ために欠かせない機能まで作り込める点です。決済については、Stripeなどの決済サービスと連携させて実現します。細かなカスタマイズにも対応できるため、独自の操作性や自社ならではの業務ロジック、専用の管理画面も、設計次第でしっかり形にできます。

大規模・高負荷・特殊要件のSaaSはノーコードでは難しい

一方で、ノーコードが苦手とする領域もあります。ここを曖昧にせず、正直にお伝えしましょう。次のようなSaaSは、ノーコードでは実現が難しかったり、そもそも向かなかったりします。

  • 超大規模・高負荷のサービス大量の同時アクセスや、膨大なデータ処理が必要なもの
  • ミリ秒単位の応答速度や、極めて複雑・特殊な計算が核になるプロダクト
  • 業界特有の厳しいセキュリティ要件やコンプライアンス要件(法令やルールを守るための基準)が求められるもの

なぜ難しいのか。理由は、ノーコードの仕組みそのものにあります。ノーコードは、ツールがあらかじめ用意した範囲の中で動く作りです。そのため、その範囲を超える処理や、極端に高い性能が求められる場面では、構造的に力を発揮しづらくなります。無理に対応しようとすれば、パフォーマンス(処理の速さ)や費用が見合わなくなることも少なくありません。

もう一つ頭に入れておきたいのが、プラットフォーム(使うツール)への依存リスクです。ツールの仕様変更や値上げ、サービスの終了があれば、その影響を避けられません。将来の拡張性を重視したい、あるいはツール依存を避けたいという場合は、フルスクラッチ(ゼロからすべてを開発する方法)で、特定のベンダー(提供会社)に縛られない作りを選ぶ判断もあります。

ただし、「向かない=諦める」というわけではありません。最初はノーコードで手早く作り、事業が伸びてきた段階で本格的なシステムへ作り替える——そんな進め方も、現実的な選択肢の一つです。この段階的な戦略については、後の章で詳しくお話しします。

最適な開発パートナーが見つかる
まずはお気軽に無料相談から!

SaaS開発に使える主要ノーコードツール6選

「では、実際にどのツールを使えばいいのか」——ここが一番気になるところでしょう。ここまで見てきた①と②のルートに沿って、SaaS開発で名前のあがる主要なノーコードツールを6つ紹介します。まずは全体像を一覧で押さえてください。

ルートツール位置づけ・得意領域
②顧客向けSaaS開発BubbleWebアプリを1から設計。DB・ログイン・課金・連携まで対応する汎用開発ツール
②顧客向けSaaS開発FlutterFlowスマホアプリ主体のSaaS向けの選択肢
①社内向け・小規模kintone社内の業務アプリ・データベースを手早く構築
①社内向け・小規模サスケWorks業務アプリの内製に強い
①社内向け・小規模Platio現場のデータ収集・モバイル業務に強い
①社内向け・小規模Airtable表計算感覚のデータベース・軽量な仕組み向け

この6つを、次の2つのグループに分けて見ていきましょう。

  • 顧客向けSaaSにおすすめの開発ツール(Bubble・FlutterFlow)
  • 社内向け・小規模におすすめのツール(kintone・サスケWorks・Platio・Airtable)

なお、各ツールの料金や機能は変わることがあります。最新の内容は、それぞれの公式サイトで確認するようにしてください。

顧客向けSaaSにおすすめの開発ツール

外部の顧客に提供する本格的なSaaSを作るなら、次の2つが有力な選択肢です。

  • Bubble:Webアプリを主体とした本格SaaS向け
  • FlutterFlow:スマホアプリを主体としたSaaS向け

Bubble

Bubbleは、汎用ノーコード開発ツールの代表格です。Webアプリを1から設計でき、データベース、ユーザー登録・ログイン、課金(決済サービスとの連携)、外部サービスとのAPI連携まで、SaaSに必要な要素をひと通りカバーできます。画面のデザインからデータ管理、裏側の処理までを1つのツールで組み立てられる自由度の高さが、最大の魅力。顧客向けの本格的なSaaSを開発するなら、まず第一候補に挙がるツールです。

世界中でスタートアップの新規事業から業務システムまで幅広く使われており、マッチングのプラットフォームやCRM(顧客管理)のような複雑なサービスの土台としても実績があります。

ただし、自由度が高いぶん、設計や構築には相応の知識と工数が必要です。要件が複雑になるほど専門的なノウハウが求められるため、本格的に作り込む段階では、開発会社やプロの支援を検討するのも賢い選択。

FlutterFlow

FlutterFlowは、スマホアプリ(iOS・Android)を主体としたSaaSを作るなら有力な選択肢になります。GoogleのFlutterという技術をベースにしており、1つの作りでiOSとAndroidの両方に対応したアプリを開発できるのが特徴。ブラウザで使うWebサービス向きのBubbleに対して、こちらはアプリストアで配信するスマホアプリ向き、という住み分けで覚えておくと分かりやすいでしょう。

社内向け・小規模におすすめのツール

社内の業務で使う仕組みや、小規模なサービスから小さく始めたい場合は、次の4つが候補になります。

  • kintone:社内の業務アプリ・データベースの構築
  • サスケWorks:業務アプリの内製
  • Platio:現場のデータ収集・モバイル業務
  • Airtable:表計算感覚のデータベース

kintone

kintone(キントーン)は、サイボウズが提供する、社内の業務アプリやデータベースを手早く構築できる代表的なツールです。案件管理や日報、問い合わせ管理など、社内業務の効率化・業務改善を得意としています。まずは社内でデータを整理して回す仕組みを作りたい、という場面で頼りになる存在。

サスケWorks

サスケWorksは、業務アプリの内製(社外に頼まず自社で作ること)に強いツールです。プログラミングの知識がない現場の担当者でも、自分たちの手で業務アプリを組み立てられる点が持ち味。日々の業務に合わせて、必要なアプリを柔軟に用意できます。

Platio

Platio(プラティオ)は、現場でのデータ収集やモバイル業務に強いツールです。点検や報告、在庫の記録など、スマホやタブレットを使った現場作業のデジタル化を得意としています。紙やExcelで行っていた現場の記録を、そのままアプリに置き換えたい場合にぴったり。

Airtable

Airtable(エアテーブル)は、表計算ソフトのような感覚で使えるデータベース型のツールです。ExcelやGoogleスプレッドシートに慣れている方なら、とっつきやすいでしょう。軽量な仕組みやデータ管理から小さく始めたい、という場合の選択肢になります。

ノーコードSaaS開発の費用と期間の目安

判断の決め手として、費用と期間が気になる方も多いでしょう。最初にお断りしておくと、SaaS開発の費用や期間は、作りたいものの中身(要件)によって大きく変わります。ここで示すのは、あくまでおおまかな目安として捉えてください。

方法別にざっくりまとめると、次の3パターンになります。

  • 既製ツールを組み合わせる:月額数千円〜/初期費用0円が目安
  • ノーコード開発ツールで作る:MVPで数十万円〜が目安
  • フルスクラッチ(ゼロから開発)と比べると:開発費は数分の1、期間は半分以下が目安
開発方法初期費用の目安運用(月額)の目安開発期間の目安
①既製ツールの組み合わせ0円〜少額月額数千円〜最短数日〜
②ノーコード開発(MVP)数十万円〜ツールの利用料(数千円〜)数週間〜数ヶ月
フルスクラッチ(参考)数百万円〜(規模により変動)サーバーなどの運用費数ヶ月〜

※上記はいずれも目安です。実際の金額・期間は、機能の数や要件の複雑さによって変わります。

既製ツール:月額数千円〜/初期費用0円が目安

kintoneやAirtableなどの既製ツールを組み合わせる方法は、費用の面でもっとも手軽です。多くのツールが無料プランや無料のお試しを用意しており、初期費用は0円〜ごくわずかで始められます。運用にかかるのは、基本的に月額の利用料だけ。利用する人数やプランにもよりますが、月額数千円程度から使えるものが多く、小さく試すにはうってつけです。

期間の面でも、テンプレートを土台にすれば、シンプルなものなら最短数日で動き出します。「まずはコストをかけずに、手元で使い勝手を確かめたい」という段階にぴったりの方法といえるでしょう。

ノーコード開発で作る場合:MVPは数十万円〜が目安

Bubbleなどのノーコード開発ツールで、顧客向けのオリジナルSaaSをゼロから作る場合は、既製ツールより費用がかかります。目安としては、必要最小限の機能をそろえたMVPで数十万円〜と見ておくとよいでしょう。ここから、機能が増えたり要件が複雑になったりするほど、費用も上がっていきます。

なぜ幅が出るのか。理由は、画面の作り込みや独自ロジックの量、外部サービスとの連携の数といった「作る中身」によって、手間(工数)が変わるためです。運用面では、これに使うツール自体の月額利用料が加わります。

期間については、MVPであれば数週間〜数ヶ月が一つの目安。自社で作るのか、開発会社に依頼するのかによっても変わってきます。

フルスクラッチよりも開発費は数分の1、期間は半分以下が目安

ここで、従来のフルスクラッチ(ゼロからすべてをプログラミングして作る方法)と比べてみましょう。同じようなSaaSを作る場合、ノーコードなら開発費は数分の1、期間は半分以下に抑えられるのが一般的な目安です。

理由はシンプルです。フルスクラッチでは、画面も裏側の仕組みも、一つひとつコードを書いて作り上げなければなりません。一方ノーコードは、あらかじめ用意された部品を組み合わせて進めるため、その手間を大きく省けます。結果として人手も時間も少なく済み、費用と期間の両方で差が生まれるというわけです。

「できるだけ費用を抑えて、早く形にしたい」という初期のフェーズほど、この差は大きな意味を持ちます。ただし前の章で触れたとおり、大規模・高負荷になるとノーコードでは対応しきれない場面も。だからこそ、最初はノーコードで手早く安く立ち上げ、事業が伸びてから作り替えるという進め方が、費用の面でも理にかなっているのです。

ノーコードでSaaSを作るメリットと注意点

まず安く速く、伸びたら作り替える
ノーコードSaaSの段階的戦略 1 ノーコードで 立ち上げ 安く・速くMVP公開 2 反応を見て 改善 高速に検証・改修 3 本格開発へ 移行 フルスクラッチ等で作り替え 実例 リモートHQ:Bubble → Golang・TypeScript(React)へ移行 出典:Coral Capital

どんな手段にも、良い面と気をつけたい面があります。ノーコードでのSaaS開発も同じです。ここでは、メリットと注意点の両方を、包み隠さずフラットにお伝えします。

  • メリット:安く・速く作って、仮説をすぐ検証できる
  • 注意点:拡張の壁やツール依存、ブラックボックス化

メリット:安く・速く作って、仮説をすぐ検証できる

ノーコードのメリットは、大きく3つに整理できます。

  • スピード:アイデアからMVP(必要最小限の機能をそろえた製品)までを短期間で形にでき、事業の仮説検証を最速で回せます。
  • 低コスト:フルスクラッチより初期投資を抑えられるため、うまくいかなかったときもダメージが小さく、新規事業のリスクそのものを下げられます。
  • 内製・改修のしやすさ:リリースしたあとも、画面や入力項目くらいならある程度は自分たちで直せます。ユーザーの反応を見ながら素早く改善を重ねられる点も、心強いところ。

大事なのは、SaaSは「作って終わり」ではないという点です。「出して・反応を見て・直す」の繰り返しで育てていくもの。開発にかかる期間を短縮し、無駄なコストを削減しながら、この改善サイクルを高速で回せることこそ、ノーコード最大の価値だといえます。

運営者としてご相談を受けていても、「まず安く作って検証し、手応えが出てから本格的に投資する」という進め方を選ぶ方は少なくありません。無理なく効率化を図りつつ事業を前に進める、現実的なやり方です。

注意点:拡張の壁やツール依存、ブラックボックス化

一方で、メリットの裏返しとなるデメリット(注意点)もあります。あらかじめ知っておきたいのは、次の3つです。

  • 拡張の壁:ユーザーや機能が増えて規模が大きくなると、ツールの制約でパフォーマンス(処理の速さ)や費用が見合わなくなり、作り替えが必要になる場合があります。前の章で触れた「向かない領域」が、成長したあとに現実の課題として表れるイメージです。
  • ツール依存(ベンダーロックイン):使っているツールの仕様変更や値上げ、サービス終了の影響を受けます。データや処理の仕組みが特定のツールに紐づくため、簡単には乗り換えられない状態になりがち。
  • ブラックボックス化・属人化:作った人しか中身が分からない状態になりやすく、担当者が抜けると保守(メンテナンス)が難しくなることがあります。

これらは「ノーコードをやめる理由」ではありません。あくまで、事前に対策と見通しを持っておくべきポイントです。

とくに大切なのが、保守・運用の視点。SaaSは、公開してからも動かし続けることが前提のサービスです。だからこそ「誰が、どうやって保守し続けるのか」を、作り始める前に決めておくことをおすすめします。将来の拡張性やツール依存への備えも含めて、判断に迷うようなら、設計の段階でプロに相談して織り込んでおくのが安全な進め方です。

ノーコードで開発されたSaaSの事例

最後に、「ノーコードは検証段階だけのもの」という先入観をくつがえす、本格的な事例を紹介します。

リモートワーク支援SaaS「リモートHQ」(株式会社HQ)です。社員一人ひとりの在宅ワーク環境の整備を支援するBtoB(企業向け)のSaaSで、そのプロダクトはBubbleを中核に、ノーコードで開発されました。

注目すべきは、その成長スピードです。Coral Capitalの記事によると、同社は複数のノーコードツールを組み合わせてプロダクトを磨きながら、創業からおよそ1年半で、累計約9億円(シリーズAで約7億円)の資金調達に至っています。ノーコードで作ったサービスが、MVPの検証にとどまらず、投資家から高く評価される本格的な事業へと育った好例といえるでしょう。

さらに示唆に富むのが、その後の展開です。事業の成長にともない、同社はBubbleで作られていたプロダクトを、GolangやTypeScript(React)といった通常のプログラミングによる開発へと移行しています。まさに、この記事で繰り返しお伝えしてきた「まずノーコードで手早く立ち上げ、伸びてから作り替える」という段階的な戦略を、地で行く実例です。

つまりノーコードは、事業の“最初の一歩”を安く・速く踏み出すための、きわめて有効な手段。そして成長の壁にぶつかったときには、次の作り替えへと橋渡しする役割も果たします。この事例は、ノーコードという選択肢が持つ可能性を、はっきりと示してくれています。

出典:Coral Capital「『ノーコード』だけで7億円のシリーズAまでスピード調達、HQに聞く」(https://coralcap.co/2023/02/nocode-series-a/

SaaS開発に迷ったらプロに無料相談

ここまで、ノーコードでSaaSを作る2つの方法——既製ツールを組み合わせる手軽な方法と、Bubbleなどの開発ツールでオリジナルを作り込む方法——を軸に、費用や事例まで見てきました。社内で使う仕組みや小さく始めるサービスなら既製ツールで手早く、外部の顧客に提供する本格的なSaaSなら開発ツールで、というのが大きな方向性です。

ただし、思い描いたSaaSを実現できるかどうかは、「要件に合ったツールを選べているか」「発注先が要件の整理から親身に付き合ってくれるか」に大きく左右されます。リモートHQの事例のように、事業が伸びれば作り替えが視野に入る場面も。だからこそ最初の設計でツールと発注先の見極めを誤ると、途中で作り直しが生じ、時間も費用も余計にかさんでしまいかねません。

とはいえ、数あるツールと開発会社の組み合わせの中から、自社に合う相手を自力で探し当てるのは、なかなか骨の折れる作業です。そんなときに頼りになるのが、ノーコード開発の窓口。

ノーコード開発の窓口は、ノーコード開発を手がける会社を比較・検討できる、専門のマッチングサイトとして運営しています。主な特長は、次の3つです。

  • 複数の開発会社を、一度にまとめて比較・検討できる
  • 専門知識を持つコンシェルジュが、発注先選びを最後まで伴走サポート
  • Bubble・FlutterFlowといったツール選びから要件の整理まで、無料でサポート

「そもそも、自社のSaaSは既製ツールで足りるのか、それとも本格的な開発が必要なのか判断がつかない」——そんな段階からでも、遠慮なくご相談いただけます。コンシェルジュが要件をていねいにうかがったうえで、課題に合ったツールや発注先までご案内する流れ。相談は無料のため、構想がまだ固まりきっていなくても、気軽にお使いいただけます。

この記事で紹介した内容をもとに自社の要件を整理しながら、SaaSの作り方や発注先選びで迷ったときは、ぜひ一度、ノーコード開発の窓口にご相談ください。

開発会社選びでお困りですか?
まずはお気軽にノーコード開発の窓口へご相談ください!
今すぐ無料で相談する

この記事を書いた人

目次